令和6年度地球温暖化・資源循環対策等調査事業費(気候変動緩和の科学的根拠に関する国際動向調査)成果報告書
報告書概要
この報告は、気候変動緩和の科学的根拠に関する国際動向調査について書かれた報告書である。令和6年度に経済産業省の委託事業として実施された調査結果をまとめており、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第7次評価報告書(AR7)サイクルに関連する活動を中心としている。
IPCCでは令和5年7月にAR7のビューロー選挙が実施され新体制が立ち上がり、令和6年1月の第60回総会では気候変動と都市に関する特別報告書や短寿命気候強制力因子に関する方法論報告書の作成が決定された。令和7年3月の第62回総会では AR7のアウトラインが承認され、第1作業部会、第2作業部会、第3作業部会の各報告書の章立てが決定されている。第3作業部会は温暖化緩和を担当し、持続可能な開発と緩和、エネルギーシステム、産業、運輸、建築物、農林業等の15章から構成される。
調査事業では2回のIPCC総会への出席、3件のIPCC関連会合への専門家派遣を通じた情報収集・分析を実施した。CDR/CCUSに関する専門家会合、AR7スコーピング会合、短寿命気候強制力因子方法論報告書第1回執筆者会合に日本人専門家を派遣し、国際的な議論の動向を把握している。また、IPCC国内連絡会の開催補助を行い、WG1、WG2、WG3の支援事務局と連携して情報共有と議論の場を提供した。
アウトリーチ活動として、令和6年9月にIPCCシンポジウム「IPCC第7次評価報告書に向けて~暑すぎる地球で暮らす私たちにできること~」を開催し、会場55名、オンライン439名の計494名が参加した。Jim Skea議長のビデオメッセージやIPCCビューローによる基調講演、パネルディスカッションを通じて、AR7に向けた最新の知見と方向性を共有している。翌日にはIPCCビューローと日本人研究者の非公式意見交換会を開催し、若手研究者のIPCC執筆への理解促進を図った。
さらに、AR7の執筆開始に向けて日本の産業界の最新知見を共有するため、IPCC第3作業部会の日本人執筆者と産業界有識者との非公式意見交換会を実施した。電力、自動車、鉄鋼、水素、アンモニア、CCS分野から有識者が参加し、日本が重視する緩和テーマについて議論が行われている。AR6 WG3の日本人執筆者および有識者への個別ヒアリングを通じて、AR7への期待や新たな執筆者推薦に関する意見収集も実施された。