令和6年度エネルギー需給構造高度化対策調査等事業(北海道におけるディマンドリスポンス等エネルギーマネジメントの実施拡大に向けた検証事業)成果報告書

掲載日: 2025年7月28日
委託元: 経済産業省
担当課室: 北海道経済産業局資源エネルギー環境部資源エネルギー環境課
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令和6年度エネルギー需給構造高度化対策調査等事業(北海道におけるディマンドリスポンス等エネルギーマネジメントの実施拡大に向けた検証事業)成果報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、北海道におけるディマンドリスポンス(DR)等エネルギーマネジメントの実施拡大に向けた検証事業について書かれた報告書である。北海道は全国で最も高い再生可能エネルギーのポテンシャルを有している一方で、冷涼な気候による空調需要の少なさや広大な面積による系統制約により、太陽光発電等による大量の再エネ供給時に需要と供給のミスマッチが生じ、出力制御が増加している状況にある。このため、需要側の細やかなコントロールが求められており、DRへのニーズが高まっている。本調査では、北海道内の事業所や公共施設の小型・中型DRリソース8施設10種類を対象とした実証を行い、各リソースの卸電力市場、容量市場、需給調整市場における活用可能性を検討した。その結果、CGSは3市場での活用可能性があったが、受電点計測では供出量を得られず、空調設備やロードヒーティングは外部環境の影響により安定した供出量の確保が困難であった。また、道内事業者のDR理解促進を目的として初心者向けガイドブック「ディマンド・リスポンス活用ガイドブック」を作成し、9つのDR事例を紹介した。さらに行動変容を促す電気メニューとして、市場連動型と従量料金型を組み合わせたメニューや上げDR実施時のインセンティブサービスを検討し、シミュレーションにより需要家側の経済的メリットを確認した。普及啓発イベントでは124名の参加があり、DRへの関心の高さが示された。今後は、DR ready製品の開発支援、計測方法の改善、制度設計の充実により、北海道の豊富な再エネポテンシャルを活用できる環境整備が重要である。