令和6年度企業の雇用状況等に関する調査研究報告書

掲載日: 2025年7月28日
委託元: 経済産業省
担当課室: 中小企業庁事業環境部企画課
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報告書概要

この報告は、令和6年度に実施された企業の雇用状況と賃上げ促進税制の利用実績について書かれた報告書である。調査は経済産業省と中小企業庁が主管し、コロナ禍からの社会経済活動正常化を背景とした賃上げの動向を把握することを目的としている。

調査対象は大企業918社、中堅企業9,162社、中小企業25,000社であり、有効回答率はそれぞれ11.7%、11.1%、18.3%となっている。労働市場の現状分析によると、有効求人倍率は2024年11月時点で1.3倍程度であり、完全失業率は2.5%程度とコロナ禍前の水準まで回復している。

賃上げ促進税制の利用実績については、令和4年度から令和5年度にかけて企業規模別に詳細な分析が行われている。大企業と中堅企業では比較的制度利用が進んでいるが、中小企業では制度の認知度や利用率に課題が見られる。特に中小企業では「賃上げを実施できないため」という理由で制度を利用しない企業が多く、従業員5人以下の企業では50%を超えている。

業種別の分析では、製造業その他の業種において外的要因による人件費増加に対してコスト削減や価格転嫁で対応する傾向が強い。企業規模が大きくなるほどこの傾向は顕著となり、301人以上の企業では47.0%がこの対応方針を取っている。賃上げ促進税制の上乗せ要件である子育てとの両立・女性活躍支援の認定取得や繰越控除措置の創設については、制度利用意向のある企業でより効果的にきっかけとなっている。