令和6年度再生可能エネルギー導入拡大・分散型エネルギーリソース導入支援等事業(分散型エネルギーリソースの更なる活用・普及推進に関する調査)報告書
報告書概要
この報告は、分散型エネルギーリソース(DER)の更なる活用・普及推進について書かれた報告書である。
カーボンニュートラル達成とエネルギーセキュリティ確保の観点から、再生可能エネルギーを中心とした分散型社会の発展や、DERを活用した電力システムの効率化・強靭化が重要となっている。エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネス(ERAB)の普及拡大のため、制度面、技術面、事業面の三要素の促進に取り組んできたが、まだ検討・実施すべき課題が多く残存している状況である。
本事業では、DERの現在の活用状況調査やERABの現状を踏まえたガイドライン改定、海外動向等の各種調査や検討会開催を行った。特に低圧ベースラインの検討においては、容量市場や経済DRでの活用に加え、需給調整市場三次②での活用も想定して進められた。電力データ管理協会と密に連携しながら、複数のベースライン候補についてRRMSEやその特徴を整理し、評価を実施した。また、2024年8月から2025年3月にかけて次世代の分散型電力システムに関する検討会を開催し、サイバーセキュリティガイドラインの改定や低圧ベースラインに関する調査・検討を議題として取り上げた。これらの検討・調査は、ユースケースの整理に留まらず、現行制度の見直し案の検討を通じて課題解決に資するものとし、関連する審議会等への意見具申に繋げることを目的としている。