令和6年度産業保安等技術基準策定調査研究等事業(火薬類事故防止対策、火薬類国際化対策事業)報告書分冊1:火薬類事故防止対策事業
報告書概要
この報告は、令和6年度に発生した火薬類事故の防止対策について書かれた報告書である。事故防止対策委員会が31年間にわたり火薬類事故の原因究明と再発防止対策を検討している活動をまとめたものである。令和6年には総件数87件の事故が発生し、死亡者はゼロであったが負傷者は28名となり、そのうち重傷者が6名、軽傷者が22名となった。事故の内訳は製造中1件、消費中82件、玩弄中1件、その他3件で、運搬中と貯蔵中の事故は発生しなかった。産業火薬類の事故では、製造中の群馬県高崎市での照明薬廃棄中の事故や山梨県忍野村での電気雷管廃棄中の事故、消費中では大分県佐伯市のトンネル掘進工事暴発事故、長崎県対馬市のトンネル掘進工事飛石事故などが発生した。煙火関係では消費中の事故が多数発生し、過早発、黒玉、火災、部品落下、筒ばねなどの事象が確認された。令和5年の事故については報告漏れにより追加修正が行われ、88件に増加している。委員会は各種部会を設置して専門的な検討を行い、事故発生場所の現地調査も実施している。報告書では過去5年間の年別比較や事故発生件数の推移を分析し、事故の特徴と再発防止対策について詳細に検討している。
