令和4年度補正海外需要拡大事業(コンテンツ産業及び生活文化分野の海外展開規模に関する調査事業)報告書
報告書概要
この報告は、令和4年度補正海外需要拡大事業として実施されたコンテンツ産業及び生活文化分野の海外展開規模に関する調査について書かれた報告書である。調査は株式会社ヒューマンメディアが実施し、日本をはじめ韓国、米国、中国、ドイツ、フランス等各国におけるコンテンツ産業の国内外展開に関する統計や市場情報を収集・分析した比較調査である。
映像市場においては、日本国内の邦画実写興行収入やテレビ放送ドラマ収入が減少傾向にあり、映像視聴手段もビデオソフトなどの映像パッケージが減少し有料動画が増加している。韓国の放送番組海外収入額は日本のアニメを除く収入額より大きく継続的に伸びており、放送と映画を合わせた海外収入では韓国が日本を大きく上回る状況となっている。世界的には映像配信が増加傾向にあり、Netflixの会員数と売上高も拡大している。
映画産業では制作・製作・配給・興行の仕組みが各国で異なり、日本は大手映画会社が製作・配給と興行の機能を持つことが特徴である。劇場公開以降の二次利用においてはコロナ禍とハリウッド各社の全世界配信開始により従来の公開から映像ソフト化という流れが公開から配信へと変化し、二次利用までの期間が短縮された。
マンガ等市場では日本、中国、米国、韓国、フランスの順で市場規模が大きく、日本のマンガの海外市場規模は2021年に推計2,792億円となっている。米国では推計800億円、フランスでは推計400億円の市場がある。日本のマンガは雑誌連載後の単行本出版という手法が特徴的であり、電子コミックの普及も進んでいる。韓国のwebtoonはスマホ向けの縦スクロール形式でIT業界主導のビジネスモデルを展開している。日本のマンガの世界展開支援として海外図書館向け推薦リストや翻訳支援、海賊版対策等の施策が実施されており、日本製マンガの世界展開支援と世界の作者による日本型マンガ創作支援の両面で取り組みが行われている。