令和6年度経済産業省デジタルプラットフォーム構築事業(行政事務の高度化に資するLLM活用促進可能性検証調査)調査報告書
報告書概要
この報告は、令和6年度経済産業省デジタルプラットフォーム構築事業における行政事務の高度化に資するLLM活用促進可能性検証調査について書かれた報告書である。経済産業省が省内でLLM環境を構築して利活用に向けた検討を進める中で、行政事務の抜本的な高度化に資する当該技術の強化やユースケースの拡大に向けた道筋を見出すことを目的として実施された。本調査では、既存の経産省LLM環境を拡充させるべくベストプラクティスを検討し、プロトタイプを用いて適合性を検証することで、職員が実際に使用できる検証環境を整備した。検証機能として、マルチLLM、音声ファイル文字起こし、AI-OCR Answering、インタプリタ機能の4つを具備し、議事録作成、英語会議の翻訳、法令案作成のための調査業務効率化、データ分析、アイデア検討の5つのユースケースを選定して検証を行った。検証期間中は職員約100名が参加し、ユースケースに基づく機能検証を実施するとともに、検証参加職員からの意見に対する分析・取りまとめを行った。実現性調査の結果を踏まえ、実現容易性と効果・重要度の観点から各テーマの優先順位付けを行い、今後のシステムのあるべき姿をロードマップとして定義した。ロードマップでは、令和7年から令和9年にかけて段階的に機能を拡張し、最終的に生成AIセントリックなデータプラットフォームへと発展させる計画が示されている。