令和6年度産業保安等技術基準策定調査研究等事業(誤使用・不注意による事故リスクの低減した製品に対する表示制度の構築事業)調査報告書

掲載日: 2025年6月13日
委託元: 経済産業省
担当課室: 産業保安・安全グループ製品安全課
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令和6年度産業保安等技術基準策定調査研究等事業(誤使用・不注意による事故リスクの低減した製品に対する表示制度の構築事業)調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、誤使用・不注意による事故リスクの低減した製品に対する表示制度の構築について書かれた報告書である。

高齢者の製品事故が深刻化している現状を受けて、経済産業省では新たなリスク表示制度の運用開始に向けた検討を実施した。重大製品事故は年間1,000件前後で推移しており、特に70代、80代の高齢者において死亡事故に至るケースが多く、60代以上の高齢者が全体の約4割を占めている。また高齢者では不注意・誤使用等による重大製品事故が約5割程度と他の年齢層より高くなっている現状がある。

制度設計においては、有識者で構成される制度ワーキンググループを開催し、愛称を「+あんしん(プラスあんしん)」と決定し、専用のロゴマークも策定した。申請製品には製品の本質的な安全性の担保と特定の誤使用・不注意による製品事故リスクの低減が要求される。リスク低減の程度については、R-Map上で1セル以上低減されていることを基本要件とした。

制度運用に必要な規定類として、応募者向けガイドライン、審査要領、審査応募書、審査・運営委員会運営規則、ロゴマークガイドラインを策定した。模擬審査を実施した結果、本制度を経済産業省主催の製品安全対策優良企業表彰の製品部門に位置付けることとし、審査項目・申請内容の再整理を行った。

運用開始に向けた広報活動として、専用ホームページを構築し、誤使用・不注意による事故事例およびリスク低減製品の事例収集を実施した。令和7年2月20日には完全オンライン形式による応募説明会を開催し、令和7年度からの本格運用に向けて応募要領を作成・配布した。本制度により消費者の安全に配慮した製品選択を促進し、企業による安全性向上への取組が企業価値向上につながる環境整備を目指している。