令和6年度電力市場監視機能強化等事業(諸外国の規制機関等の市場監視のあり方・役割に関する調査事業)報告書(公開版)

掲載日: 2025年6月23日
委託元: 経済産業省
担当課室: 電力・ガス取引監視等委員会総務課
委託事業者: 三菱総合研究所
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報告書概要

この報告は、諸外国の電力・ガス分野における規制機関の市場監視のあり方や役割について調査した報告書である。

本調査では、米国連邦エネルギー規制委員会(FERC)、米国ペンシルベニア州公益事業委員会(PA PUC)、英国ガス電力市場局(Ofgem)、フランスエネルギー規制委員会(CRE)、スウェーデンエネルギー市場監督庁(Ei)の5つの規制機関を対象とし、各機関の組織体制、人員構成、予算規模、独立性、権限範囲を詳細に分析している。また、EU全体の卸エネルギー市場規則(REMIT)についても調査対象としている。

各国の規制機関は、電力卸市場と小売市場の監視において異なるアプローチを採用している。米国では連邦レベルのFERCが州際取引を、州レベルの委員会が州内小売市場をそれぞれ管轄しており、市場監視機能は独立性の高い専門組織として運営されている。英国とフランスでは、統一的な規制機関が市場全体を監督し、特にREMIT規則に基づく市場濫用行為の監視に重点を置いている。

送配電部門では、各国ともアンバンドリング政策により発電・小売部門からの分離を進めており、規制機関による継続的な監督と監査が実施されている。市場濫用行為への対応では、金融市場の監視手法を取り入れた高度な分析システムの導入や、RegTech企業との連携による監視体制の強化が進んでいる。各国規制機関は国際協力を通じて監視手法の標準化と情報共有を推進しており、特にEU域内ではACERを中心とした統一的な市場監視体制が構築されている。