令和6年度経済産業政策関係調査事業企業経営におけるDEI(ダイバーシティ&エクイティ&インクルージョン)の浸透や多様な人材の活躍に向けた調査事業報告書

掲載日: 2025年7月18日
委託元: 経済産業省
担当課室: 経済産業政策局経済社会政策室
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令和6年度経済産業政策関係調査事業企業経営におけるDEI(ダイバーシティ&エクイティ&インクルージョン)の浸透や多様な人材の活躍に向けた調査事業報告書のサムネイル

報告書概要

この報告書は、企業経営におけるDEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)の浸透や多様な人材の活躍に向けた取組について調査したものである。経済産業省が令和6年度に実施した調査事業として、みずほリサーチ&テクノロジーズが受託し、3つの重要な観点から企業における多様性推進の現状と課題を分析している。

第一に、「多様性を競争力につなげる企業経営研究会」を実施し、有識者による議論を通じて、ダイバーシティ経営が企業価値向上につながる具体的な方法論を検討した。深刻な人手不足の中で企業が多様な人材を確保し、イノベーション創出力を高めるための経営のあり方について議論を重ねた。世界的にサステナビリティ経営や人権尊重が求められる中、DEIを価値創造の重要な手段として位置付ける企業の取組を研究し、日本企業に求められるダイバーシティ経営の実践方法をまとめている。

第二に、企業でのニューロダイバーシティと合理的配慮の取組事例を調査し、障害のある人をインクルージョンする企業の実践事例を収集・整理した。アニヴェルセルにおける結婚式場での合理的配慮の取組事例では、弱視や聴覚障害のあるお客様への個別対応、バリアフリー環境の整備、スタッフ研修の実施など、具体的な配慮方法が示されている。取組開始の社内合意から定着・キャリア開発まで5つのステップに沿って、企業における工夫点や改善策を詳細に分析している。

第三に、男女間賃金格差に関する分析を実施し、特に小売業と電機・精密業を中心とした業界のアクションプラン策定に向けた支援として業界団体へのアンケート調査を行った。これらの調査結果は、多様化する市場ニーズやリスクへの対応力を高め、日本経済の持続的成長を実現するための重要な基礎資料となっている。