令和6年度重要技術管理体制強化事業 (投資規制対策事業(諸外国における投資規制の動向及び実態調査))報告書
報告書概要
この報告は、令和6年度重要技術管理体制強化事業として実施された諸外国における投資規制の動向及び実態調査について書かれた報告書である。近年の国境を越えた企業の合併買収の増加や政府系ファンドの台頭、民生技術の軍事転用懸念等により世界の投資環境が大きく変化し、欧米諸国を中心に安全保障を理由とした投資管理規制強化が一層進められている状況を背景としている。本調査では、日本企業等の保有する機微情報の国外流出リスクが高まる環境に対応し、今後の日本における対内直接投資に係る審査の運用に活用することを目的として、諸外国が実施する投資規制制度の動向を調査している。調査対象国は米国、カナダ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、オーストラリア、中国、台湾、韓国、EUの12か国・地域である。特に米国のCFIUSによる審査制度を中心として、各国の対内直接投資規制の概要、審査制度、審査手続、モニタリング、罰則・エンフォースメント、2024年以降の見直し動向について詳細に分析している。さらに、ソフトウェア業及び情報処理サービス業に対する対内直接投資審査制度についても専門的に調査し、データセキュリティやサイバーセキュリティの観点から外国投資家より自国企業の情報を保全するための投資規制の実態を明らかにしている。また、米国、イギリス、ドイツ、EUにおける対外直接投資規制についても概要を調査し、日本の法制度との比較検討を行っている。
