令和6年度化学物質規制対策(化管法SDS制度に関する調査)調査報告書

掲載日: 2025年7月18日
委託元: 経済産業省
担当課室: みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社
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報告書概要

この報告は、経済産業省委託による令和6年度化学物質規制対策の一環として、化管法SDS制度に関する調査について書かれた報告書である。

本調査は、令和5年4月に施行された化管法政令改正に伴い、SDS制度の施行状況を把握し、課題の整理と今後の方向性を検討することを目的として実施された。調査では、改正政令施行後におけるサプライチェーンを通じたSDS提供状況の実態把握、化管法物質選定における有害性基準とGHS分類との整合性を図るための課題抽出、事業者向けGHS分類ガイダンスの見直し及び分類候補物質の抽出という3つの主要な検討が行われた。

化管法SDS制度施行状況調査では、令和5年度事業で把握されたSDS提供に関する課題について詳細な分析が実施された。特に輸入事業者におけるSDS提供の課題として、海外事業者からの協力不足、中小事業者における対応負荷の増大、サプライチェーン上での情報伝達の遅れなどが明らかとなった。これらの課題に対応するため、化管法に基づくSDS・ラベル作成ガイドの更新、輸入事業者向けSDS英語版解説資料の新規作成、業界団体ヒアリングの実施などが行われた。

化管法物質選定における有害性基準とGHS分類との整合性調査では、化管法物質選定時の有害性判断とGHS分類における情報源及び結果の比較分析が実施された。この結果、変異原性や生殖毒性などの項目において両者の判断基準に相違があることが確認され、特に定性的な知見の取扱い方法について検討の必要性が示された。また、約1000物質を対象とした新たな有害性基準による物質選定の試行が実施され、現行基準との比較分析が行われた。

事業者向けGHS分類ガイダンスの見直しでは、政府向けGHS分類ガイダンスや最新の科学的知見、国連GHS分類に対応するJIS改正動向を踏まえた改訂案が作成された。また、令和7年度に優先的にGHS分類を実施すべき候補物質として約100物質が抽出され、化管法における情報提供の充実化が図られた。