令和6年度地球温暖化対策技術・エネルギー等分析・評価国際連携事業(技術革新によるエネルギー需要変化に関するモデル比較国際連携事業)成果報告書
報告書概要
この報告は、技術革新によるエネルギー需要変化に関するモデル比較国際連携事業について書かれた報告書である。地球温暖化対策の一環として、エネルギー需要サイドの技術革新と社会変化がCO2排出削減に与える影響を国際的な視点で分析・評価している。150以上の国がカーボンニュートラルを表明する中、各国・各地域・各産業の状況を総合的に考慮した気候変動政策の立案が重要性を増している。本事業では、国際応用システム分析研究所を中心に開発されたLEDシナリオに基づき、AI等の技術進展や社会変化を伴う低エネルギー需要実現について包括的な調査を実施している。欧州、米国、アジア、中南米の22機関による国際研究コミュニティを構築し、デジタルトランスフォーメーション、シェアリングエコノミー、循環型経済、住宅建築、水素製鋼、移動ニーズなど幅広い分野での比較研究を展開している。オーストリアで開催された国際ワークショップには19カ国45機関から96名が参加し、IPCC執筆者を含む専門家による活発な議論が行われた。研究成果は15件を大幅に上回る論文投稿数を達成し、COP29での日本パビリオンサイドイベントを通じて国際的な情報発信も実施している。これらの取り組みにより、IPCC第7次評価報告書への科学的知見提供を目指すとともに、気候政策分析における需要側モデルの国際的展開を推進している。
