令和5年度二国間クレジット取得等のためのインフラ整備調査事業(CDMの運用に係る方法論に関する調査)報告書

掲載日: 2025年6月9日
委託元: 経済産業省
担当課室: 産業技術環境局環境政策課地球環境対策室
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報告書概要

この報告は、クリーン開発メカニズム(CDM)の運用に係る方法論に関する調査について書かれた報告書である。令和5年度において経済産業省が実施した二国間クレジット取得等のためのインフラ整備調査事業の一環として、CDMの方法論及び指定運営機関等に関する議論の動向を調査し、二国間クレジット制度(JCM)の在り方検討に資する情報収集を目的としている。調査では2023年度に開催された第91回から第93回までの方法論パネルの結果を詳細に分析し、新規方法論の提案状況、既存方法論の明確化・改訂要請、横断的課題について検討を行った。特に注目すべき動向として、再生可能エネルギー起源電力を用いた水素製造による石炭ガス化製造法の代替方法論NM0381の採択推奨、ジオポリマーセメントの利用によるポルトランドセメント代替方法論NM0382の継続検討、木造建材によるコンクリート代替方法論NM0384の検討などが挙げられる。また、高効率照明技術に関する方法論では、CFL技術が先進技術ではなくなったことから対象から削除すべきかどうかの議論が行われ、最終的に採択推奨となった。JCMに対するインプリケーションとして、設備・生産量の増加を伴うプロジェクトにおけるベースライン設定の考え方、新たなJCM締約国の概要、COPにおける検討状況、CORSIAにおけるクレジットの扱いについて分析を実施した。さらに高品質な炭素クレジットの基準に関する国際的な議論として、Core Carbon PrinciplesやICROA Carbon Crediting Programme Endorsement Review Criteriaなどの動向を調査し、これらがJCMの今後の発展に与える影響について考察を行っている。