令和5年度補正資源自律経済確立産官学連携加速化事業(地域の循環指標に関する調査分析)報告書

掲載日: 2025年7月11日
委託元: 経済産業省
担当課室: イノベーション・環境局GXグループ資源循環経済課
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報告書概要

この報告は、経済産業省が委託した地域の循環指標に関する調査分析について書かれた報告書である。世界的な資源制約や環境問題を背景に、従来の線形経済から循環経済への移行が重要となっている状況において、我が国では2020年に「循環経済ビジョン2020」、2023年に「成長志向型の資源自律経済戦略」が策定され、サーキュラーエコノミーへの取組が本格化している。経済産業省は2023年9月に産官学のパートナーシップ「サーキュラーパートナーズ」を立ち上げ、関係主体の連携により必要な施策を検討している。

本事業では、地域におけるサーキュラーエコノミーの成熟度診断と地域循環モデルの構築を目的として、「環境制約への対応」「資源制約への対応」「成長機会の獲得」「ウェルビーイングの実現」の4つの視点を統合的に評価する地域循環指標の検討とツール開発に取り組んだ。地域サーキュラーエコノミー指標については、国際的に統一されたフレームワークが存在しないため、本事業において新たに策定を行った。国内外の文献からサーキュラーエコノミー指標と地域指標を抽出し、指標間の関係性に基づいて大項目、中項目、小項目の3段階に整理した。

プロトタイプ開発では、統計的な定量データの取得可否と推計による算定可否を検討し、実践的に活用可能なツールを開発した。サーキュラーパートナーズ参画自治体に対して2回のヒアリングを実施し、1回目では課題感や期待感を、2回目では開発したツールの妥当性を検証した。また、自治体や企業の理解促進を目的として、地域サーキュラーエコノミー指標およびツールの説明書を作成し、指標策定の意義、算定方法、活用方法を明示した。

次年度以降の方向性として、レーダーチャートの高度化、提示内容の高度化、効果検証機能の追加、ユーザー数の拡大の4つの残論点が整理された。本事業により地域の循環を定量的に評価する指標が整理され、統計データの有無や新たなデータ取得の必要性が明確となった。今後は機能の拡充や高度化に取り組むとともに、より多くのユーザーが活用できるよう公開範囲やユーザビリティの向上を図ることが想定されている。