令和5年度「無人自動運転等のCASE対応に向けた実証・支援事業(自動運転レベル4等先進モビリティサービス研究開発・社会実証プロジェクト(テーマ2))」報告書

報告書概要

この報告は、令和5年度における茨城県日立市のひたちBRTでの自動運転レベル4技術の実証と社会実装の実現に向けた取組みについて書かれた報告書である。本研究開発プロジェクトは、2025年度末までにひたちBRT路線内の公道交差を含む専用道区間等において、レベル4自動運転サービスを実現することを成果目標として設定している。実施体制として、株式会社日本総合研究所を幹事機関とし、産業技術総合研究所、みちのりホールディングス、茨城交通株式会社、日本自動車研究所、先進モビリティ株式会社がコンソーシアムを形成して推進している。対象区間は河原子BRTから南部図書館までの廃線跡BRT専用道区間約6.1kmであり、乗務員乗車型レベル4自動運転移動サービスの社会実装に向けた技術開発と実証実験を実施した。車両開発においては、過去の実証やリスクアセスメントに基づく走行リスクシナリオを分析し、安全設計要件を整理して認可取得に向けた基準対応と試験評価を行った。また、遠隔監視システムと車外HMIの開発、インフラ連携システムの構築、緊急車両検知機能の実装などの技術要素を統合したシステム全体の設計を実施した。実証評価では、ひたちBRTでの技術実証を通じて、レベル4認可と営業運行に向けた課題の分析と改善対応を行うとともに、社会受容性の醸成と実装評価を実施している。さらに、横展開に向けた課題として、他地域への適用時の留意点整理、簡易収支モデルの作成、事業性検討の枠組み構築などを行い、定時定路線型自動運転サービスの普及拡大に資する知見を蓄積した。