令和5年度「無人自動運転等のCASE対応に向けた実証・支援事業(自動走行システムの安全性評価基盤構築に向けた研究開発プロジェクト)」報告書

掲載日: 2025年7月18日
委託元: 経済産業省
担当課室: 製造産業局自動車課モビリティDX室
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令和5年度「無人自動運転等のCASE対応に向けた実証・支援事業(自動走行システムの安全性評価基盤構築に向けた研究開発プロジェクト)」報告書のサムネイル

報告書概要

この報告書は、令和5年度に実施された自動走行システムの安全性評価基盤構築に向けた研究開発プロジェクトについて書かれた報告書である。経済産業省の委託により一般財団法人日本自動車研究所が実施し、自動運転車の社会実装を支援するため、シナリオベースの安全性評価手法の確立と国際標準化の推進を目指したものである。事業の核心は、高速道路で確立された安全性評価手法を一般道へ拡張することであり、これまでのSAKURAプロジェクトの成果を活用し、シナリオデータベースの開発と公開に取り組んだ。具体的には、ニーズの高い一般道シナリオの抽出と基本仕様の検討、シナリオDBの公開版開発とクラウド環境構築、道路形状や法規を加味したシナリオ絞り込み手法の研究が実施された。また、交通外乱シナリオDBの分析において、一般道評価に必要な論証体系の検討、合理的に予見可能な範囲と回避可能な範囲の特定手法の研究が行われ、対歩行者シナリオ体系の構築や対四輪車のロジカルシナリオ作成が進められた。安全性評価手法の標準化に向けては、ISO34502の策定支援や国際連携の推進、欧米関連研究機関との協力体制構築が図られ、国際会議での成果発信も積極的に実施された。プロジェクト全体の運営は安全性評価戦略サブワーキンググループを通じて行われ、学界・産業界・研究機関の有識者による助言を得ながら進められた。この取り組みにより、自動運転システムの継続的な安全性向上を支える基盤が構築され、日本の国際的プレゼンス向上と標準化議論の主導に貢献することが期待される。