令和5年度「無人自動運転等のCASE対応に向けた実証・支援事業(仮想空間での自動運転安全性評価環境の構築)」報告書
報告書概要
この報告は、無人自動運転等のCASE対応に向けた実証・支援事業における仮想空間での自動運転安全性評価環境の構築について書かれた報告書である。経済産業省が主導し、神奈川工科大学、BIPROGY株式会社、三菱プレシジョン株式会社、トヨタテクニカルディベロップメント株式会社が令和5年度に実施したDIVPプロジェクトの成果がまとめられている。本事業は、従来のSIP自動運転プロジェクトDIVPとAD-URBANの活動を引き継ぎ、SAKURAプロジェクトと連携してオールジャパンでの安全性評価基盤構築を目指している。主要な実施内容として、環境・空間・センサモデルを用いたツールチェーンの拡張では、4Dイメージングレーダモデルの試作とレーダ実機の調達を完了し、次期型センサモデルの開発を進めた。評価指標・体系の確立では、クラウド上に認識性能評価とリスク性能評価が実施できる環境を構築し、AD-Urbanが提供するADシステムとの連携による2段階評価体系を確立した。センサ弱点事象の特定と事象の拡張では、帰納的シナリオと演繹的シナリオをDIVP-PFと連携させるための機能開発を行い、DIVPMaterialとして仕様定義と実装を開始した。国際協調・標準化活動では、日独VIVIDプロジェクトを通じた共同研究を完了し、White paperの発行と国際シンポジウムの実施により対外的な発信を行った。これらの取り組みにより、仮想空間での自動運転車の安全性評価フレームワークDIVP-SAの開発が進展し、全国地域実証実験への展開と国際標準化への反映に向けた基盤が構築された。