令和5年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査等事業(産業・業務部門における更なる省エネの促進に向けた省エネ法関連制度に関する調査)報告書
報告書概要
この報告は、省エネ法におけるベンチマーク制度の効果分析と対象業種拡大に向けた調査について書かれた報告書である。2050年カーボンニュートラル実現に向けて、産業・業務部門における更なる省エネ推進のため、ベンチマーク制度の現状把握と改善方策を検討したものである。調査では、平成21年に産業部門で導入され平成28年に業務部門に拡大されたベンチマーク制度について、2009年から2020年の省エネ法定期報告書データを用いて効果分析を実施した。分析の結果、産業部門・業務部門ともにベンチマーク目標達成率は概ね上昇傾向にあり、制度対象化により省エネが推進されていることが確認された。また、現行の17業種23分野について指標や目標値の見直しを実施し、石炭火力電力供給業やデータセンター業など各業種の実態を反映した改善案を提示している。さらに、ネットワークセンター等や自動車製造業といった新たな対象業種の拡大に向けた検討も行われ、これらの業種のエネルギー消費実態調査とベンチマーク制度導入の可能性が検証された。報告書では、ベンチマーク制度の効果を最大化するための提言として、目標設定の適正化、データ収集・分析体制の強化、事業者への支援拡充などが示されており、2030年度の省エネ目標達成に向けた制度運用の改善方策が包括的に整理されている。
