令和2年度産業経済研究委託事業(新型コロナウィルス感染症対策にかかる消費者衛生用品購買動向調査)調査報告書
報告書概要
この報告は、新型コロナウイルス感染症対策にかかる消費者衛生用品購買動向について書かれた調査報告書である。株式会社電通が経済産業省から受託し、2020年4月から7月にかけて実施された問い合わせ対応業務の結果をまとめたものである。
4月初旬には安倍総理による全世帯への布マスク2枚配布発表と緊急事態宣言発令により、マスクの転売規制に関する問い合わせが急増した。問い合わせ内容は、海外からのマスク輸入販売における転売規制の適用範囲、販売価格の規制、パッケージ表記の基準などが中心であった。また、布マスク配布に対する国民からの意見や要望も多数寄せられた。
5月には消毒用アルコール製品の転売禁止方針が示され、緊急事態宣言の段階的解除が進められた。6月には代替消毒手法として界面活性剤の有効性が公表され、関連する技術的な問い合わせが増加した。特に次亜塩素酸水の使用方法や有効濃度に関する専門的な質問が多く寄せられた。
時系列分析では、問い合わせ件数は3月から4月にピークを迎え、月平均97件から順次減少し、7月には30件弱まで落ち着いた。問い合わせ内容の推移では、マスク転売規制から消毒液転売規制、代替消毒手法へと関心が移行していった。運営上の課題として、専門性の高い問い合わせへの対応、経済産業省への照会業務の負荷軽減、対応スキルの向上が挙げられ、今後の改善が必要である。
