令和２年度産業標準化推進事業委託費（戦略的国際標準化加速事業：標準化を用いたビジネスに対するサポート人材の育成方法に関する調査）報告書

この報告は、中小企業が標準化を用いたビジネス展開を支援する専門人材の育成方法に関する調査について書かれた報告書である。経済産業省は地域の中小企業による標準化活用を促進するため、新市場創造型標準化制度や標準化活用支援パートナーシップ制度を運用し、一定の成果を上げてきた。しかし、標準化だけでなく、制定した規格をどのように事業に活かすかといったビジネス戦略の視点を組み込む必要性が明らかとなった。そこで本調査では、弁理士や中小企業診断士等の専門家を対象とした人材育成セミナー用コンテンツの開発を目的として実施された。調査では、まず対象となる専門家の属性を具体化し、中小企業支援に十分な実績や知見を有し、新たに標準化の視点を取り入れてスキル向上を目指す者と定義した。セミナーのコンセプトは、標準化の基礎知識獲得から始まり、ビジネス支援との結びつけ、実践準備という3段階で構成され、認知、関心、実行の流れで受講者の理解を深める設計となっている。コンテンツは標準化の概要、ビジネス戦略、活用セオリー、事例解説、経済産業省支援策、実施時の注意点、ワークショップの7つで構成される。各専門家の特性に応じて、中小企業診断士には事業戦略面での標準化活用提案スキルを、弁理士には技術・特許を活かす手段としての標準化活用提案スキルを身につけてもらうことを目指している。最終的にワークショップによる仮想実践を通じて、セミナーで学んだ内容をケーススタディ形式で実践し、実際の中小企業支援における標準化活用のスキル定着を図る構成となっている。