令和2年度燃料安定供給対策に関する調査等(バイオ燃料を中心とした我が国の燃料政策の在り方に関する調査)
報告書概要
この報告は、資源エネルギー庁に提出されたバイオ燃料を中心とした我が国の燃料政策の在り方に関する調査報告書である。本調査は、我が国の高度化法に基づくバイオエタノール導入目標設定を踏まえ、バイオエタノール、バイオディーゼル燃料、その他代替燃料およびバイオジェット燃料の国際的な導入状況や促進策について調査し、我が国の導入促進策の在り方を検討することを目的として実施された。
調査では、米国の再生可能燃料基準(RFS)について詳細に分析している。米国では2005年の包括エネルギー法でRFSが策定され、2007年には改訂版RFS2が制定されて2022年まで延長し、再生可能燃料の長期目標値を360億ガロンまで引き上げた。RFS2では、バイオ燃料の生産量に対してRIN(Renewable Identification Number)と呼ばれる売買可能なクレジットが発行され、ガソリンまたはディーゼル燃料の精製業者・輸入業者は目標達成のために必要量のRINを調達することが求められている。バイオ燃料は原料や化石燃料に対するGHG削減率により分類され、各タイプごとにRINの識別コードが割り当てられている。
さらに、原油精製時のGHG排出量に関する諸外国の動向についても調査を行っている。米国では、石油精製時のGHG排出量を石油製品に配分するにあたり水素含有量按分を選択しており、製油所における水素製造のエネルギー消費・GHG排出が大きいため、水素含有量による按分が適切と評価されている。
