令和2年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(日本の貿易円滑化強化策(FTA活用含む)にかかる国際経済調査事業)調査報告書【公表用概要版・英語】

掲載日: 2021年4月23日
委託元: 経済産業省
担当課室: 通商政策局アジア太平洋地域協力推進室
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令和2年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(日本の貿易円滑化強化策(FTA活用含む)にかかる国際経済調査事業)調査報告書【公表用概要版・英語】のサムネイル

報告書概要

この報告は、自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)の利用を含む貿易円滑化について書かれた報告書である。世界各国では広域経済圏の設立が進展し、ブロックチェーン技術等のデジタル技術を活用した貿易プラットフォームが民間企業主導で登場している。一方、各国政府も貿易関連手続きのデジタル化政策に基づき、シングルウィンドウシステムの構築を進めており、中国やASEAN諸国では国家政策として広域FTAや域内経済統合を推進し、NSW(National Single Window)の相互接続を進めている。本調査では、各国の貿易プラットフォーム、政府が推進するシングルウィンドウシステムの現状、および貿易手続き関連文書のデジタル化状況を把握し、これらの動向に対する日本の政策立案に寄与することを目的として実施された。調査の結果、世界の貿易プラットフォームの傾向として、複数大陸にサービスを提供する欧米系民間主導のプラットフォームが他のプラットフォームと連携しているが、シングルウィンドウとの連結は未実現である。これに対し、日本、韓国、シンガポール等のアジア系プラットフォームは国家公共システムとの連携を特徴とし、国家主導で運営される場合もある。また、日本、ASEAN、中国、韓国のシングルウィンドウ構築状況を比較すると、日本は貿易プラットフォームを中心としたASEANとの民間主導協力を目指し、中国は一帯一路戦略の一環として原産地証明手続きの電算化を中心にASEANシングルウィンドウとの協力を推進し、韓国は自国インフラ拡張のための実証実験に注力している。ASEANにおけるFTA適用原産地証明書の申請項目は、ASEAN域内、日本、中国・韓国との間で原則統一されているが、協定間で三国間貿易関連の選択項目に差異が見られる。日本の貿易プラットフォームであるTradeWaltzでは、原産地証明手続きで入力されたデータを各種様式に成形する機能の実装を検討中である。システム等の違いは、日本政府・民間企業の今後の各種プラットフォーム・シングルウィンドウの協力・利用における障害とはなっていない状況である。