令和2年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(家電リサイクル制度等の高度化に向けた調査)報告書
報告書概要
この報告書は、家電リサイクル制度の高度化に向けた基盤整備について書かれた報告書である。経済産業省による令和2年度委託事業として実施された調査結果をまとめており、家電4品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機)のリサイクル制度の現状分析と今後の制度見直しに向けた課題整理を行っている。
調査では、まず家電4品目の国内市場動向と特徴変化を定量的・定性的に分析し、近年の製品の軽量化や多機能化、IoT・AI搭載といった技術進歩がリサイクルに与える影響を検討している。インターネット販売における家電リサイクルの実態調査も実施し、オンライン販売事業者のリサイクル案内方法の改善点を明らかにしている。
諸外国の状況として、ドイツ、スウェーデン、フランス、中国における電気電子機器廃棄物のリサイクル制度を詳細に調査し、各国の法制度、回収スキーム、費用負担の仕組みを比較分析している。特に中国では廃棄電器電子製品回収処理基金による補助金制度や、近年のオンライン回収サービスの拡大について詳しく検討している。
国内の使用済家電の流通フローについては、消費者に対する大規模調査を実施し、約2万件の回答を得て実際の排出先や処理方法を把握している。その結果、正規ルートでの排出が一定程度確保されている一方で、不用品回収業者への排出も相当数存在することが判明している。
家電リサイクル法の周知・啓発に関しては、Yahoo!とGoogleでリスティング広告を実施し、約1万9千回のクリックを獲得して経済産業省の家電リサイクルページへの誘導効果を測定している。この取り組みにより、ページビューが最大2.1倍に増加し、広告の効果を定量的に確認している。
