令和2年度化学物質安全対策(途上国におけるオゾン層破壊物質等の転換プロジェクト推進等事業)調査報告書

掲載日: 2021年4月23日
委託元: 経済産業省
担当課室: 製造産業局化学物質管理課 オゾン層保護等推進室
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報告書概要

この報告は、令和2年度にオゾン層破壊物質等の転換プロジェクト推進について書かれた調査報告書である。本報告書は、モントリオール議定書の下で実施される5条国(開発途上国)におけるHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)やHFC(ハイドロフルオロカーボン)等の規制対象物質の削減対策について、我が国の技術を活用した新規支援プロジェクトの組成可能性を調査したものである。調査対象はマレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム、フィリピン、インドの6ヵ国であり、これらの国々における現地政府関係者や事業者との意見交換を通じて、フロン対策の現状と課題を把握した。各国ではHCFC段階的廃止管理計画(HPMP)が進められており、特に発泡部門での発泡剤転換や冷凍空調部門での低GWP冷媒への代替が進んでいることが確認された。また、ベトナムにおけるR32冷媒転換プロジェクトの推進支援として、世界銀行等と連携した技術支援や契約締結に向けた調整を実施した。さらに、モントリオール議定書多数国間基金第86回執行委員会会合や第32回締約国会合への対応支援を行い、国際的な動向把握と我が国の対処方針策定に貢献した。各国の調査結果から、冷凍空調製造部門、サービス部門、発泡部門における代替技術の普及促進が重要であり、特に低GWP冷媒であるHFC-32やアンモニア、CO2等の自然冷媒への転換が進められていることが判明した。今後の新規案件組成に向けては、各国の技術ニーズと我が国企業の技術力を適切にマッチングさせることが課題として挙げられている。