令和2年度中小企業庁「地域中小企業人材確保支援等事業(中核人材確保支援能力向上事業)」実施報告書
報告書概要
この報告は、中小企業の人材不足解消に向けた地域金融機関による連携体制構築について書かれた報告書である。
生産年齢人口の減少により人手不足が恒常化する中、中小企業では経営課題の上位に人材不足が挙げられており、特に成長・拡大を志向する企業では中核人材確保の戦略的推進が必要とされている。本事業では、地域金融機関を中心とした連携体「Career Bank研究会」を設置し、経営支援機関等が効率的かつ効果的に中小企業の経営課題明確化から人材確保までをシームレスに支援する仕組みづくりの実証を行った。
研究会は北海道、中四国、南部九州の各エリアで展開され、地方銀行12機関と信用金庫3機関の計15機関が参画した。事業の特徴として、地域金融機関同士の相互扶助型連携体の形成、担い手の輩出とネットワーク化、副業・兼業人材活用をメインテーマとした取組みが挙げられる。担い手育成では参画機関の到達度に応じて「高度化」「自走化」「定着化」の3段階に分け、オンライン勉強会、OJT支援、オンラインメンタリングを実施した。
実施体制では、YMFG ZONEプラニングが統括事務局となり、肥銀オフィスビジネスがブランチ事務局として南部九州エリアの研究会運営を担当することで、取組みの自立化を前提とした横展開を実現した。営業ツールとして副業・兼業人材活用の手引きや事業戦略別人材要件ガイドなどを開発し、参画機関の実務支援を行った。
今後の展開として、地方銀行モデルと信用金庫モデルの連携強化、先導的人材マッチング事業との連動化、官民連携ノウハウの移転などが計画されている。具体的には「熊本がまだす!副業プロジェクト」の始動や、山口県内金融機関と山口県プロフェッショナル人材戦略拠点との包括連携協定締結に向けた調整が進められており、持続的かつ平準的に質の高い人材確保支援ネットワークの構築を目指している。