令和２年度地域中小企業人材確保支援等事業（中核人材確保支援能力向上事業）委託実施報告書

この報告は、東京都内の中小企業における中核人材確保支援のネットワーク形成と担い手育成について書かれた報告書である。東京という日本を代表する都市部では中小企業数も経営支援機関数も多いが、支援機関同士の関係性が希薄で連携不足という課題があった。本事業では興産信用金庫、東京商工会議所、東京中小企業家同友会など10機関をコアメンバーとして、中核人材確保における連携のメリットを実感してもらい、都市型の支援機関連携による中小企業支援体制の創出を目指した。事業実施委員会や研修会を通じて各機関の現状把握と課題解決を図り、5STEPフレームワークに基づく人材確保・育成支援のノウハウ提供を行った。コロナ禍の影響でオンライン開催となり親密度向上が課題となったが、各機関からの積極的な発信により相互理解を促進した。各機関の人材支援状況は異なっており、すべてを自機関内で完結できる機関とそうでない機関があるため、相互協力による支援能力向上を図った。担い手育成では研修会、オープンセミナー、企業支援の実践を組み合わせて実施し、受講者からは実践的な支援のあり方を学べたとの評価を得た。今後の改善点として成功事例の紹介、各機関ニーズに合わせた企画の用意、オンデマンド研修の提供などが挙げられている。