令和2年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(バイオ市場を取り巻く環境や将来の市場動向に関する調査)報告書(概要版)

掲載日: 2021年5月19日
委託元: 経済産業省
担当課室: 商務・サービスグループ生物化学産業課
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報告書概要

この報告は、バイオ市場を取り巻く環境や将来の市場動向について書かれた報告書である。バイオ医薬品産業は成長性が高い分野であるが、日本は大幅な輸入超過状態が続いており、売上上位の抗体医薬品の多くを外資系企業が開発している現状にある。バイオ医薬品は低分子医薬品と比較して製造コストが高く、受託製造が活発に行われているため、国内における研究開発力と製造能力の向上が急務となっている。デジタル人材については、日本のIT人材が情報通信業に偏在し、医薬品業界で従事する情報科学系研究者が少ない状況である。バイオインフォマティクス人材はニーズがあるものの、キャリアパス確立の困難さや学際分野の人材育成の課題が指摘されている。バイオ実験の自動化は再現性向上や安全性向上のメリットがあるが、作業プロセスの複雑さや高額な初期コストなどのハードルが存在する。研究支援分野では、検査・分析機器産業において日系企業のシェアが高く、CRISPER-Cas9のような革新的な研究ツールの開発が産業への大きな波及効果をもたらしている。バイオ拠点形成においては、異分野連携や大規模化が進む中で、日本の基礎研究の国際競争力低下が懸念されており、次世代型研究拠点の構築が求められている。欧州では官民連携によるバリューチェーン全体での取り組みが行われている。