令和2年度中堅・中小企業輸出ビジネスモデル調査・実証事業 調査報告書

掲載日: 2021年5月19日
委託元: 経済産業省
担当課室: 貿易経済協力局貿易振興課
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令和2年度中堅・中小企業輸出ビジネスモデル調査・実証事業 調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、日本の中堅・中小企業のEC(電子商取引)を活用した輸出拡大について書かれた報告書である。経済産業省が有限責任監査法人トーマツに委託して実施した令和2年度の調査研究であり、BtoC(企業対消費者)およびBtoB(企業対企業)の両領域におけるECビジネスモデルとマーケティング戦略を検討している。

報告書は、日本の中堅・中小企業による輸出額は増加しているものの、その割合が他の先進国に比べて低い状況であることを背景としている。海外におけるデジタル化の進展、プラットフォーマーの台頭、新たなビジネスモデルの出現により、中堅・中小企業の海外販路開拓を取り巻く環境が急速に変化していることを指摘している。

BtoC領域では、特にEC市場の成長が著しいASEAN諸国と、マーケティングが重要となる化粧品等について詳細な調査を実施している。海外ECサイトにおいて継続的に売上を伸ばすためには、ECサイトが保有する機能情報を活用した効果的なデジタルマーケティングや商品開発が必要であるとしている。一方で、デジタルマーケティングを巡る状況の変化が大きく、経営資源に限りのある中堅・中小企業にとって独自開発は困難であることも述べている。

BtoB領域では、海外ECサイトにおける日本産品の販売が主にBtoC領域で進んでいる中、工業製品等のBtoB領域のECサイトにおける市場実績と効果の検証が必要であるとしている。世界のBtoB EC市場規模の推移や、中国・米国における市場動向、各国の主要ECサイトの概要などを分析している。

調査では、東南アジア各国のEC市場概況、EC輸出におけるビジネスモデル、マーケティング手法について具体的な事例とともに検討している。また、日本の中堅・中小企業のEC輸出に関する課題を整理し、政府への要望や韓国政府の支援事例を参考とした政策提案も含まれている。