令和2年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業 (新たな日ASEAN協力の検討に向けた議長国ブルネイ・ダルサラーム国に関する基礎調査事業)調査報告書

掲載日: 2021年5月27日
委託元: 経済産業省
担当課室: 通商政策局アジア大洋州課
委託事業者: 株式会社レイン
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令和2年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業 (新たな日ASEAN協力の検討に向けた議長国ブルネイ・ダルサラーム国に関する基礎調査事業)調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、2021年に実施されたブルネイ・ダルサラーム国の基礎調査について書かれた報告書である。調査の目的は、ASEAN議長国となるブルネイの産業政策やビジネス環境を整理し、同国が目指す経済多角化への課題と対策を検討することで、日ASEAN協力検討のベースとなる情報を収集することであった。

ブルネイは第29代スルタンであるハサナル・ボルキア国王が1984年の独立以来統治しており、国王が首相、国防相、財務経済相、外務相を兼任する絶対君主制を敷いている。行政組織は国王を頂点とし13府省から構成され、皇太子が首相府上級相を務めている。政治体制は安定しており、自然災害も少なく治安も良好である。

経済面では石油・天然ガスに大きく依存している状況から脱却すべく、2008年に長期国家ビジョン「ワワサン・ブルネイ2035」を公表し、多様化された経済での持続可能な社会国家実現を目標としている。日本はブルネイにとって最大の輸出貿易相手国であり、2008年には日・ブルネイ経済連携協定が締結されるなど良好な関係を築いている。

ブルネイ政府は海外直接投資を歓迎し、新しい産業や技術を学ぶ手段として位置づけている。投資インセンティブは産業ごとにきめ細かく設定され、100パーセント外資も認められている。日本企業に対しては長期パートナーシップへの期待が高く、高付加価値産業での協力や研究開発センター誘致を希望している。

農業・水産業・観光業の発展にも力を入れており、ハラル認証を活用した高付加価値製品の開発や、カンポンアイールや熱帯雨林を活用した観光拠点整備を進めている。しかし観光インフラの不足や物価の高さが課題となっている。

調査では日本の高い技術力を持つ中小企業がブルネイの質の高い労働力や厳しいハラル認証、ASEAN内での好立地を活用し、化粧品・薬品・農業・水産業などでの高付加価値製品開発や物流拠点開発で協力する可能性が示されている。