令和2年度製造基盤技術実態等調査(繊維産業のサステナビリティに関する調査)報告書

掲載日: 2021年5月27日
委託元: 経済産業省
担当課室: 製造産業局生活製品課
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報告書概要

この報告は、繊維産業のサステナビリティに関する国際的な動向と企業の取り組みを調査した報告書である。近年のSDGsの影響により、ファッション業界の環境負荷に対する意識が高まっており、国連貿易開発会議などでは繊維産業が世界第2位の汚染産業とされている。具体的には、年間930億立方メートルもの大量の水を使用し、500万人の生活に必要な水量に相当することが指摘されている。また、50万トンのマイクロファイバーが海洋に廃棄され、これは300万バレルの原油使用に相当する深刻な環境汚染を引き起こしている。さらに、ファッション業界の二酸化炭素排出量は全世界の8~10%を占め、国際線航空と海運による排出量の合計を上回る規模となっている。海外では、EUがサーキュラーエコノミーアクションプランの重点分野に繊維を位置づけ、フランスでは循環経済法を制定するなどの政策的対応が進んでいる。国際認証制度として、GOTS、Textile Exchange、Bluesign、OEKO-TEXなどが環境と社会的責任の基準を設けている。国内では、循環経済ビジョン2020において繊維が重要分野として位置づけられ、ファーストリテイリング、ワールド、オンワードホールディングスなどの企業がサステナブルな取り組みを推進している。特に、オーバーサプライ問題の解決に向けて、受注生産への転換、需要予測精度の向上、二次流通の活用、製品リサイクルの4つの方法が有効であることが示されている。