令和2年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(経済産業政策・第四次産業革命関係調査事業費(第四次産業革命時代におけるヘルスケアサービス分野のデジタルトランスフォーメーション等に関する調査研究))報告書
報告書概要
この報告は、令和2年度における第四次産業革命時代のヘルスケアサービス分野のデジタルトランスフォーメーションに関する調査研究について書かれた報告書である。我が国では人生100年時代の到来と現役世代の急激な減少により、経済社会システムの構造変化に直面しており、第四次産業革命の進展によってAIやIoT等の新技術の開発・社会実装が期待されている。ヘルスケアサービス分野においては、高齢化に伴うサービス需要の質・量面での変化、サービス提供のあり方の変化、地域格差、従事者の長時間労働や人手不足等の課題が指摘されている。新型コロナウイルス感染症の拡大により、感染症拡大防止と両立するヘルスケアサービス提供のあり方やウィズ・コロナ、ポスト・コロナにおける新たな日常に向けた社会経済の変化が求められている。調査では認知症予防・重症化予防、メンタルヘルス管理、COVID-19関連サービス、個人健康関連データ共有、慢性疾患治療アプリ、AI問診・画像診断等について国内外の先進事例を分析した。また効果的・効率的な介護サービス提供についても調査を実施し、デジタル技術を活用した介護現場の課題として、保険外サービスの拡大、介護機器・サービスの評価と導入促進、現場人材のデジタルリテラシー向上等を特定した。研究会での検討により、ケアマネジャーが保険外サービスを積極的に活用するための制度設計、在宅領域での安全性・有効性エビデンス構築促進、現場人材のデジタル技術リテラシー向上推進等の施策が必要であるとの結論に至った。
