令和2年度産業経済研究委託事業 (旅費関連申請・外勤費精算業務の効率化に向けた調査・検証) 報告書
報告書概要
この報告は、経済産業省の旅費関連申請・外勤費精算業務の効率化に向けた調査・検証について書かれた報告書である。経済産業省では、METIトランスフォーメーションの一環としてバックオフィス業務の時間削減を目指しており、従来の旅費申請業務と外勤精算業務において職員およびバックオフィス部門の作業負担が依然として大きい状況があった。旅費申請業務では、詳細な旅行計画作成や複雑な様式への対応、決裁ルートの長期化、SEABISシステムでの三者間調整などが課題となっていた。外勤精算業務では、共用PASMOの管理負荷、Excel管理簿との突き合せ作業、定期券との重複利用チェックなどの問題があった。本事業では、出張業務が多い3部局を対象としたヒアリングを実施し、発生頻度と作業負荷の観点から重要課題を抽出した。改善策として、旅費申請業務については専門窓口(BPO)の立ち上げ、出張手配・相談ツールおよび備品手配依頼ツールの整備を検討した。外勤精算業務については立替払い方式への変更と外勤精算ツールの整備を提案した。セールスフォース上にプロトタイプを構築し検証を行った結果、職員からは業務負荷軽減への期待が示された一方で、BPOの体制や対応スピード、部局間の運用ルール統一、代理申請機能などについて詳細な検討が必要であることが判明した。特に技術面では、ICカード情報の読み取りに関する課題が確認され、今後の具体的な実現方法の検討が求められている。
