令和2年度商取引・サービス環境の適正化に係る事業(ヘルスケアイノベーション環境整備支援事業)報告書
報告書概要
この報告は、ヘルスケアスタートアップによる革新的サービスの社会実装環境整備について書かれた報告書である。我が国は世界最高水準の高齢化率に直面し、老化に伴う疾患や生活習慣病への対策が喫緊の課題となっている。経済産業省は国民の健康・医療ニーズに対応する新たなヘルスケアサービスを社会実装することで、持続可能な予防・進行抑制・共生型の健康・医療システムを構築し、生涯現役社会の実現を目指している。本事業では、デジタルヘルスによる社会課題解決に取り組むスタートアップに焦点を当て、革新的サービスの社会実装に必要な環境整備のための情報収集・分析を実施した。海外調査では米・英・独・仏の4か国を対象とし、個人または医療機関向けサービスを提供するデジタルヘルススタートアップ企業256社から、サービスが普及し具体的効果が示されている44社を選定した。調査では企業のサービス普及状況や成果を詳細に調べ、各国の社会的背景、施策・制度との関連性を分析した。これらの海外調査結果から得られた示唆に基づき、国内で需要喚起によって普及推進しうるデジタルヘルスサービスの可能性を検討し、デジタルヘルススタートアップ振興のための課題整理と施策の方向性を立案した。
