令和2年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(ライフサイエンス分野を事例とした関西への対日投資促進のための方策調査)報告書
報告書概要
この報告は、関西地域におけるライフサイエンス分野の対日投資促進方策について書かれた報告書である。関西は日本のGDPの15.9%を占める重要な経済圏であるが、外資企業の進出は全国比9.1%と低い水準にとどまっている。政府は2020年までに対日直接投資残高を35兆円に倍増する目標を掲げており、2019年末時点で33.9兆円に達したものの、対GDP比6.1%とOECD平均46.0%を大きく下回る状況が続いている。関西はグローバル企業の立地、世界レベルの大学・研究機関の存在、2025年大阪・関西万博の開催など多くの魅力を持つ地域でありながら、その強みが十分に活用されていない実態がある。本調査では関西の強みの一つであるライフサイエンス分野において、外資企業の投資決定に必要な情報を収集・整理し、プロモーションツールを作成するとともに、有識者による研究会を通じて対日投資の課題・問題点を分析した。彩都ライフサイエンスパーク、神戸医療産業都市、京都市ライフイノベーション創出支援センターなど関西には世界レベルのライフサイエンスクラスターが存在し、医薬品、医療機器、再生医療、ヘルスケア分野における産学官連携の基盤が整備されている。調査手法として研究会の開催、アンケート調査、ヒアリング調査を実施し、関西への対日投資促進のための具体的方策を検討した。その結果、関西の魅力発信強化、新たなカウンターパートの発掘、外資スタートアップ支援機関との連携強化、シームレスな支援体制構築が重要であることが明らかとなった。
