令和2年度重要技術管理体制強化事業(重要産業技術基盤調査)報告書

掲載日: 2021年6月11日
委託元: 経済産業省
担当課室: 貿易経済協力局貿易管理部安全保障貿易管理政策課技術調査室
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報告書概要

この報告は、令和2年度重要技術管理体制強化事業における重要産業技術基盤調査について書かれた報告書である。本調査では、マイクロ波・ミリ波領域の電磁波デバイス用メタマテリアル、RF用GaNデバイス、ポリイミド・モノマー、光学結晶、ロボットビジョンセンシングコントロール、PNTシステム、空間除菌技術、ドローン技術、および日本の製造業に関するマクロ調査という9つの重要技術分野について包括的な技術動向およびサプライチェーン調査が実施された。

各分野において、勉強会、文献調査、インタビュー調査、特許調査といった多角的な調査手法が採用され、技術動向の把握、技術保有者と経営基盤の分析、重要技術と脆弱と考えられる生産基盤の特定が行われた。メタマテリアル分野では、左手系媒質の実現技術や伝送線路型による実装技術が詳細に分析され、GaNデバイス分野では分極ドーピング技術やデュアルフィールドプレート構造が重点的に調査された。

ポリイミド分野では工業用高分子材料としての位置づけと製造方法が検討され、光学結晶分野では非線形光学結晶の市場動向と深紫外光源への応用が分析された。ロボットビジョン分野では機械学習を用いた物体検出技術の変遷が詳細に調査され、PNTシステム分野では衛星測位技術の脆弱性とセキュリティ対策が重点的に検討された。空間除菌分野では光触媒、紫外線、次亜塩素酸、オゾンといった各種技術の原理と効果が分析され、ドローン分野では技術動向と市場動向の両面から調査が実施された。最後に日本の製造業全体について財務指標を用いたマクロ分析が行われ、国内業種間比較および海外との比較を通じて競争力の評価が実施された。これらの調査結果は、日本の重要技術基盤の現状把握と今後の政策立案に向けた基礎資料として位置づけられている。