令和2年度「J-Startup KANSAI企業」に対する成長支援のあり方に関する調査事業報告書
報告書概要
この報告は、関西地域のスタートアップ企業である「J-Startup KANSAI企業」の成長支援のあり方について調査した報告書である。経済産業省近畿経済産業局が2025年国際博覧会開催を契機として関西地域の経済発展を促進するため、関西に根ざした高い発想力や技術力を持つスタートアップ企業31社を選定し、令和2年10月から11月にかけて訪問ヒアリング調査を実施したものである。調査対象企業は京都府13社、大阪府11社、兵庫県7社で構成され、各企業の沿革、特徴・強み、将来展望、現状と将来予測、課題、支援ニーズなどについて詳細な調査が行われた。調査の結果、選定企業の41.9%にあたる13社が医療関連事業を手掛けており、ヘルステックやメドテック系企業が多数を占めることが明らかとなった。これは京阪神コンソーシアムがスタートアップ・エコシステム拠点都市に選定され、バイオ・ヘルスケア・ライフサイエンス分野を中心とした取り組みが推進されていることが背景にある。企業の強みとしては独自技術の保有、将来性の高いビジネスモデル、優秀な人材の確保などが挙げられる一方、人材面では量的・質的不足、資金面では初期投資回収や研究開発資金の確保、商材・サービス面では技術的課題や販路開拓などの課題が指摘された。支援策については、スタートアップ・エコシステム拠点都市としての優位性を活かした技術面での支援、企業経営の側面支援、資金効率向上や初期投資回収への支援、資金支援の拡充、海外展開や顧客紹介支援などが提言されている。
