令和2年度遠隔健康相談事業体制強化事業(24時間チャット等窓口)最終報告書

掲載日: 2021年6月18日
委託元: 経済産業省
担当課室: 商務・サービスグループヘルスケア産業課
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報告書概要

この報告は、新型コロナウイルス感染症対策として実施された遠隔健康相談事業(24時間チャット等窓口)について書かれた報告書である。LINE Healthcareが令和2年5月1日から8月31日まで実施した事業で、国民の潜在的な健康不安に対処するため、医師がチャット等を活用して24時間体制で健康相談に応じる窓口を設置した。LINEヘルスケアサービスでは、リアルタイムで相談する「いますぐ相談」と48時間以内に回答を得られる「あとから回答」の2つの相談方法を提供し、友達数780万人を突破した。相談実績では、新型コロナウイルス感染拡大状況に応じて「コロナ」のワードを含む相談数が増減し、コロナ以外の相談件数も全般的に増加基調を辿った。診療科別では内科が44%と最も多く、次いで小児科、整形外科、皮膚科が続き、相談タイプでは「いますぐ相談」が73%を占め、夜間の相談割合が高い傾向を示した。新型コロナウイルス感染症に関する相談では、症状がない場合でも病院受診への不安や、コロナ禍により受診困難やサービス利用制限による相談も発生した。ユーザー満足度は約85%と高い評価を得られ、医療機関への受診をためらう中で専門医に相談できる安心感や、24時間対応の利便性が評価された。一方で、回答の曖昧さや画像診断の希望、精神科・心療内科への相談需要などの課題も指摘された。事業分析結果では、健康相談の需要の高まりとトリアージ機能としての価値提供の可能性が示され、適正な提供のための課題として認知度向上、サービス理解の促進、医師の質の担保が挙げられた。