令和2年度化学物質安全対策(化学物質情報管理システム構築及びデータ利活用に向けた調査事業)報告書
報告書概要
この報告は、化学物質安全対策における化学物質情報管理システム構築及びデータ利活用に向けた調査について書かれた報告書である。令和2年度に野村総合研究所が実施した本調査では、化学物質審査規制法(化審法)におけるIUCLID(国際統一化学物質情報データベース)の活用可能性を検討している。IUCLIDは化学物質に関する情報を標準化された形式で管理するソフトウェアであり、EU REACH規則をはじめとする世界各国の化学物質規制で広く使用されている。調査では、IUCLIDの機能分析、化審法手続きへの適用可能性の検証、諸外国における利用実態の調査、事業者向けアンケート調査を実施した。オーストラリア、ニュージーランド、米国、カナダにおけるIUCLID利用状況を詳細に調査し、各国の規制機関担当者へのヒアリングを通じて運用実態を把握している。事業者アンケートでは、届出・申請情報の再利用機能、統一された窓口システム、電子化による効率性向上に関する認識や適用可能性を調査している。また、労働安全衛生法や毒物劇物取締法といった他の化学物質管理法令との連携可能性についても検討を行った。調査結果を踏まえ、化審法手続きの電子化とIUCLIDベースの管理システム構築に向けた具体的な提案がなされている。
