令和2年度中堅・中小企業輸出ビジネスモデル調査・実証事業(日本のフードテック関連企業による海外展開に係る海外市場のポテンシャル調査)
報告書概要
この報告は、フードテック分野における日本企業の海外展開促進について書かれた報告書である。近年、グローバルな環境意識の高まりにより、サステナブルな食料供給システムの再構築が求められ、培養肉や代替肉、昆虫食などのフードテックへの注目と投資が拡大している。海外市場では日本市場よりも先行してフードテックが普及すると予想されるなか、日本企業は国内市場に加えて海外市場にも進出し、グローバルサプライチェーンの一部を担うことが重要である。また、2030年に農林水産物・食品の輸出額5兆円目標の下、食産業の海外展開と多様なビジネスモデルの創出が求められている。本調査では、世界の食の課題解決において日本企業の強みを活かせる分野を特定するため、海外市場や海外企業のニーズ分析、当該分野に強みを持つ日本企業の分析、海外展開の方向性の作成という3つのタスクを実施した。フードテックは農業生産から廃棄物処理まで6つの領域に分類され、海外展開においては製品の現地化、価格設定、流通構造への対応、定着支援などの課題がある。展開方式としては、現地への技術実装と技術を梃にした市場創造の2つのオプションがあり、それぞれ異なるアプローチが求められる。現地パートナーとの連携による実証事業から合弁事業化への段階的展開が効果的である。