令和2年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(農林水産物・食品輸出に係るコールドチェーン物流調査)調査報告書

掲載日: 2021年6月18日
委託元: 経済産業省
担当課室: 貿易経済協力局貿易振興課
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令和2年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(農林水産物・食品輸出に係るコールドチェーン物流調査)調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、農林水産物・食品輸出に係るコールドチェーン物流について書かれた報告書である。経済産業省の委託により実施された調査であり、日本からASEAN諸国への農林水産品輸出における温度管理システムの実態と課題を明らかにしている。

調査では、コールドチェーン輸送形態をFCL(コンテナ単位借り切り)、LCL(混載)、AIR(航空便)の三種類に分類し、それぞれの特徴を分析した。FCLは大量出荷時に最適であるが小口では高コストとなり、LCLは小口に適するものの日本発ASEAN向けはシンガポール便のみという制約がある。AIRは迅速性に優れるが運賃が高く、相手国空港の保冷施設に依存するリスクを抱えている。

国内調査では、株式会社epoc、板橋貿易株式会社、Wismettacフーズ株式会社、株式会社日成の荷主四社と、内外トランスライン株式会社、株式会社日新、セイノーロジックス株式会社の物流会社三社にヒアリングを実施した。海外調査では、タイ、ベトナム、フィリピンの三カ国を対象とし、現地の物流事業者や荷主の取り組みを調査した。

調査結果から、生産地から消費地までの適切なコールドチェーン確保には、物流施設の不足、通関時間の長期化、高コスト化といった課題があることが判明した。これらの問題解決には、各プレイヤーの連携強化と品質管理システムの確立が必要であると結論づけている。本調査は、日本の農林水産物・食品輸出拡大とフードロス削減に向けた政策立案の基礎資料として位置づけられている。