令和2年度補正産業保安高度化推進事業(スマート保安促進に向けた制度の見直し調査)報告書

掲載日: 2021年6月18日
委託元: 経済産業省
担当課室: 産業保安グループ高圧ガス保安室
委託事業者: 高圧ガス保安協会
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報告書概要

この報告は、高圧ガス保安分野におけるスマート保安促進に向けた制度見直し調査について書かれた報告書である。経済産業省が実施した令和2年度補正産業保安高度化推進事業の一環として、高圧ガス保安協会が調査を行い、IoT、AI、ドローン等の第四次産業革命により進展した先進技術を活用したプラントの安全性向上と保安業務の合理化を目的とした制度改正案を検討している。調査の主要な内容は、ドローンやAI等の新技術の円滑な導入のための技術基準や制度の見直しと、プラントのスマート化を促進するための認定事業者制度等の見直しの二つの柱から構成されている。設備の使用開始・終了時の点検や日常点検に関する技術基準の見直しでは、石油精製・石油化学会社5社に対するアンケート及びヒアリング調査を実施し、ドローンに搭載したカメラの活用、赤外線カメラによるガス漏洩検知、AI による液面計レベルゲージの確認、無線計装設備による各種データ監視など、広範囲にわたる新技術の活用状況を確認した。法的整理の結果、現行の高圧ガス保安法上では新技術活用の阻害となる規定や禁止規定はなく、現行制度でも新技術を活用することは可能であることが判明したが、事業者からの要望を受けて新技術活用が可能である旨を明確化するための例示基準の見直し案を作成している。保安検査や完成検査に関する検査方法の見直しでは、ドローンやAI等の新技術活用状況を調査し、法的整理と適用可能性の検討を通じて見直し案を策定している。プラントのスマート化促進に関しては、軽微な変更工事の拡充について特定認定事業所を保有する3社及び5自治体へのヒアリングを実施し、スマート保安投資計画については認定事業所を保有する10社及び業界3団体へのヒアリングを通じて制度改正案を検討している。これらの調査結果を踏まえ、先進技術の導入促進と保安水準の維持向上を両立させるための具体的な制度改正提案がまとめられている。