令和2年度産業経済研究委託事業(欧州諸国におけるテレワークに関する実態等に関する調査研究)

掲載日: 2021年6月18日
委託元: 経済産業省
担当課室: 経済産業政策局産業人材政策室
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報告書概要

この報告は、欧州諸国(フランス、ドイツ、イギリス)におけるテレワークの実態等に関して調査した報告書である。フランスでは、テレワーク実施者に対してオフィス勤務者と同じ労働法令が適用され、全国職際協定により基本的な枠組みが規定されている。労働時間の把握について具体的な法令上の規定はないが、使用者は最長労働時間を超過しないよう労働者の労働時間を把握する義務を負っている。実務的には労働者の自己申告による労働時間管理が一般的であり、手入力による簡便な方法や労働時間管理ソフトウェアの使用という方法が採用されている。労働時間管理ソフトウェアには測定ボタンによる作業時間記録機能があり、スクリーンショット取得機能を有するものもある。ただし、労働者の活動時間を自動監視するタイプのソフトウェアはGDPRに抵触する可能性が高い。労働者にとって自己申告は負担と認識されておらず、申告内容と実労働時間が異なっていても、疑わせる事情を使用者が認識していない限り免責される。欧州司法裁判所の2019年判決はフランス法上の労働時間管理規制と矛盾するものではなく、自己申告であっても客観的で信頼性が高くアクセス可能なシステムを導入したといえる。テレワーク実施者の勤務場所は使用者と労働者の合意により決定され、雇用契約書に記載される必要がある。新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、各国政府は在宅勤務に関する様々な施策やガイダンスを実施している。