令和2年度質の高いエネルギーインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業 東部インドネシアにおける洋上天然ガス発電プラント及びLNG配送チェーン調査事業 調査報告書 (英文)
報告書概要
この報告は、インドネシア東部におけるLNG配送・発電プラント(LDPP)プログラムの事業機会調査について書かれた報告書である。
インドネシア東部は豊富な国内LNG生産にもかかわらず、発電にはディーゼル燃料の輸入に依存している。これは貯蔵・配送施設(ミッドストリームインフラ)の不足が原因である。インドネシア政府にとって「ディーゼルからガスへの転換」は重要な政策となっており、輸入超過の削減とエネルギー安全保障の強化を目指している。
2017年10月、インドネシア海洋・投資調整庁と日本の経済産業省が協力覚書の枠組みでLDDPプログラムに関する合意に署名した。日本政府の高品質インフラ支援により、日本企業が上流から下流まで統合サービスを提供する体制が構築された。2020年1月、インドネシア・エネルギー鉱物資源省がPTペルタミナにLNG配送のためのミッドストリームインフラ開発を委託する法令を発行し、プロジェクトが実用段階に入った。
技術面では、小規模LNG配送とSSLNGCミルクランを活用したネットワーク構成の分析が行われた。事業スキームと規制の調整、CO2削減効果の推定、LNG衛星インフラの活用などが検討された。特に水産業との冷熱システム連携や観光業でのLNG VGL活用による相乗効果が評価された。
プログラムの社会経済効果として、CO2削減効果の定量化、水産・観光分野の関係者へのインタビューによる社会経済的便益の確認、製錬会社の需要創出によるガス価格削減への貢献可能性が分析された。今後は関係者間でのDES価格やSSLNGCのタンガーアクセスに関する議論、安全基準の確認、事業推進のための継続的な支援活動が必要とされている。
