令和2年度燃料安定供給対策に関する調査事業(石油産業に係る環境規制等に関する調査)調査報告書

掲載日: 2021年6月25日
委託元: 経済産業省
担当課室: 資源エネルギー庁資源・燃料部石油精製備蓄課
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報告書概要

この報告は、日本の石油産業の国際競争力向上を目的とした環境規制等に関する調査報告書である。調査では海外石油産業の気候変動対策、船舶燃料の硫黄分規制動向、石油精製業に関する環境規制動向について分析が行われた。特に欧州を中心とした石油大手企業では2050年に向けたネット・ゼロ戦略が相次いで発表されており、BP、Shell、Totalなどの企業が再生可能エネルギーへの積極的な取り組みを進めている。欧州石油企業11社と米国石油企業5社の比較分析により、欧州企業が野心的な目標を掲げる一方で米国企業との戦略の違いが明確に示された。また、2020年に導入されたIMOによる船舶用燃料の硫黄分規制強化については、国際的に価格面や品質面での差異が生じており、今後の継続的な動向監視の必要性が指摘された。海外製油所における環境対応技術実証では、デジタル化やIT技術を活用した省エネ事例が確認され、設備投資を抑制しながらGHG削減効果を実現する取り組みが進展している。長期的な環境技術開発については、石油大手が直接空気回収技術などの革新的なCO2削減技術に投資しており、欧米でのデモンストレーションが本格化する見通しである。欧州では2021年に立ち上がるイノベーション・ファンドプログラムを活用した大型プロジェクトが計画されており、特にドイツが再生可能水素プロジェクトで先行している状況が明らかとなった。