令和2年度地域資源を活用した持続的なヘルスケアビジネス創出等に関する調査報告書
報告書概要
この報告は、令和2年度に四国経済産業局が実施した地域資源を活用した持続的なヘルスケアビジネス創出等に関する調査について書かれた報告書である。
超高齢化社会の到来と現役世代の減少により、公的負担の増加や医療介護従事者の人手不足が顕在化している背景の下、健康長寿社会の形成に資する新産業創出が重要な課題となっている。四国地域は全国よりも先行して生活習慣病の罹患率や高齢化が進む課題先進地域であることから、治療ではなく予防への効果が期待できるヘルスケアサービスの創出が急務とされている。
本調査では、地域医療・介護体制に寄与する予防・健康サービスや地域資源を活用した異業種連携による新たなヘルスケア事業の事例調査を実施した。調査は3つの柱で構成されており、第一に四国内外から15件程度のヒアリング調査を行い各地域の事例分析を実施、第二に四国の関係機関に向けた分野横断情報交換会の開催、第三に観光・スポーツを活用した健康づくりと過疎地域における遠隔システム活用をテーマとしたオンラインセミナーの開催である。
ヒアリング調査では、地域資源を活用したヘルスケアビジネス、新たなスキームを活用したヘルスケアビジネス、遠隔システムを活用したヘルスケアビジネスの3つのカテゴリーに分類し、各事業の立ち上げ経緯、異業種連携における課題、持続的な取組みとするための検討課題等について詳細な調査を実施した。セミナーでは民間事業者の参加が約8割を占め、参加者からは資金とマンパワーの確保、自治体と企業の連携強化、コーディネータの必要性等の課題が挙げられた。これらの事例研究により、四国地域におけるヘルスケア事業の更なる創出と既存事業の横展開を促進することを目的としている。