令和2年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査等事業(電力広域的運営推進機関のこれまでの活動内容に係る検証等に関する調査)調査報告書

掲載日: 2021年7月2日
委託元: 経済産業省
担当課室: 資源エネルギー庁電力ガス・事業部電力基盤整備課
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令和2年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査等事業(電力広域的運営推進機関のこれまでの活動内容に係る検証等に関する調査)調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、電力広域的運営推進機関のこれまでの活動内容に係る検証等について書かれた報告書である。

電力広域的運営推進機関は、東日本大震災を契機とした電力システム改革の第1弾として2015年4月に創設された、全ての電気事業者に加入義務のある認可法人である。同機関は、電源の広域的な活用に必要な送配電網の整備を進め、全国大で平常時・緊急時の需給調整機能を強化することを目的として設立された。これまでに地域を超えた電力融通の指示や地域間連系線の増強などを通じ、中長期的な供給力・調整力の確保や全国規模での送配電設備の効率的な整備・利用において重要な役割を果たしてきた。

昨今の災害の激甚化や再生可能エネルギーの普及に伴う系統制約等の課題を踏まえ、我が国の電力系統はレジリエンスを強化しつつ、再生可能エネルギー大量導入に対応した次世代型の電力ネットワークへの転換が必要となっている。エネルギー供給強靱化法により、同機関には広域系統整備計画の策定、FIT制度に関する交付金の交付、太陽光パネル等の廃棄費用の積立てに関する業務が追加されることとなった。

本調査では、同機関の役割と機能が大きく強化されることを踏まえ、これまでの活動内容に係る検証等を行う上で必要となる海外類似機関等の情報を収集・分析している。欧州における類似組織として、42のTSOが構成会員となっているENTSO-Eや地域安全調整機関、連系線オークション運用機関について詳細に調査している。米国における類似組織として、NERCやPJMなどのRTO・ISOについても分析を実施している。これらの海外類似組織と電力広域的運営推進機関の比較分析により、今後の同機関のあり方の構築に向けた示唆を提供している。