令和2年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査等事業 (技術革新等によるエネルギー需要の変化に対応した特定事業者等及び特定荷主等のエネルギーの使用の合理化の評価のあり方に関する調査)報告書
報告書概要
この報告は、技術革新等によるエネルギー需要の変化に対応した特定事業者等及び特定荷主等のエネルギーの使用の合理化の評価のあり方について調査した報告書である。
本調査では、省エネルギー法に基づき提出された定期報告書及び中長期計画書のデータを分析し、工場等と荷主のエネルギー使用合理化の評価手法を検討した。工場等については、特定事業者の時系列データによる原単位評価分析を実施し、産業・業務部門における省エネ評価の可能性を検討した。荷主については、原単位改善の経年変化状況を分析するとともに、中長期計画書の取組内容をテキストマイニングにより分類し、省エネ最適事例を抽出した。また、エネルギー使用量の算定方法改善や精緻化の可能性を検討した。
分析結果では、原単位分母として「トンキロ」「重量」「金額」が多く使用されており、業種により特徴的な傾向が見られた。鉄鋼業では「トンキロ」、輸送用機械器具製造業では「金額」の使用が多かった。中長期計画書の取組内容分析では、業種別に特徴的な取組傾向が確認され、飲料・たばこ・飼料製造業や化学工業では「モーダルシフト」の件数比率が高く、輸送用機械器具製造業では「ルート最適化」の比率が高かった。
算定方法別の分析では、燃料法や燃費法では省エネ取組効果が直接反映されるが、トンキロ法では物流量削減や輸送ルート最適化の効果が原単位に表れにくいという課題が明らかになった。モーダルシフト率については、原単位水準が高いほどモーダルシフト率が低い傾向が見られ、取り扱う財の特徴による影響が示唆された。
