令和2年度石油・ガス供給等に係る保安対策調査等委託費(海洋における石油・天然ガス開発に係る保安調査)報告書
報告書概要
この報告は、令和2年度に実施された海洋における石油・天然ガス開発に係る保安調査について書かれた報告書である。我が国のエネルギー安全保障の観点から海域における石油・天然ガス開発の重要性が高まる中、平成30年度から3年間にわたって実施された海洋石油・天然ガス開発の保安対策及び鉱害防止対策に関する国外動向調査の最終年度報告となっている。調査対象国として、保安対策では海洋石油・天然ガス開発の先進国である米国と英国を選定し、浅海域も含む海洋開発における保安に係る13項目の規制法令やガイドラインの内容、官民の役割分担等を詳細に調査した。特にプラットフォームの撤去及び廃坑関連、坑井制御と坑井健全性に関するもの、機器・装置に関するものなどの分野で最新動向を把握している。鉱害防止対策については英国とオーストラリアを対象とし、試探掘段階、開発・生産段階、廃止段階をバランスよく調査し、環境影響評価書等の内容分析を実施した。また国内事例として最近10年間に実施された基礎試錐における保安対策及び鉱害防止対策についても調査を行い、気候変動に伴う激甚化する自然災害への対応についても検討している。報告書では3年間の調査結果の集大成として、海外事例を我が国に適用する場合の課題を整理し、将来の海洋石油・天然ガス開発における保安対策及び鉱害防止対策に対する指針策定や法整備に資することを目的としている。
