令和2年度化学物質安全対策(化学物質管理の信頼性確保のための調査)調査報告書

掲載日: 2021年7月2日
委託元: 経済産業省
担当課室: 製造産業局化学物質管理課化学物質安全室
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報告書概要

この報告は、令和2年度に実施された化学物質安全対策における化学物質管理の信頼性確保のための調査について書かれた報告書である。OECD加盟国間におけるMAD(データの相互受理)制度の下で、日本の化学物質GLP(優良試験所基準)制度の国際的な信頼性を確保するため、次回の現地評価(2022年以降予定)に向けた調査・検討が行われた。調査は主に4つの分野で実施された。まず、化学物質GLP制度について、OECD GLP文書との整合性を調査し、特に監視当局向けの文書や2012年以降に追加された文書との比較検討を行った。その結果、基本的に整合性は保たれているものの、海外政府機関への情報共有などの細かな相違点が確認された。次に、分解度試験および濃縮度試験に関する行政当局の制度運営について調査し、経済産業省の内規とOECD GLP文書およびISO/IEC17011との整合性を確認した。日本の化学物質GLPは経済産業省、環境省、厚生労働省の3省が分担して監視機能を担っており、複数の監視当局が存在する運用体制は国際的にも稀であることから、監視当局間の制度運営の同一性確保が重要な課題として指摘された。国内外の国際評価チームによる現地評価の実施状況について、他国の事例調査および医薬品GLPに関するPMDAへのヒアリングを実施し、制度運営の参考とした。前回の現地評価で指摘された事項の再検討を行い、次回現地評価に向けた提出資料の準備と英訳作業を実施した。報告書は、日本の化学物質GLPが国際的にみても複雑な運用体制を持ち、監視当局間の同一性確保という独特の課題を抱えていることを明らかにし、今後さらなる信頼性向上の取り組みを進めることで国際的な信頼をより一層得ることができると結論している。